シレーヌの日記2
私はシレーヌ。
今日も猫。
ロミオの家で飼われている身。
10歳の時にこの姿になった。
あれから自分の家も見に行ったわ。
お母さんが私のお墓の前で泣いていたの。
私はあの時死んだことになった - 。
当然ね。
ごめんね。お母さん。
時が来れば家に帰れるから - 。
それからまた2年の月日が流れた。
ロミオは17歳になった。
時折悲しい顔をするけれど、よく笑うようになったわ。
私のことは忘れていってしまうかな。
それでも私は幸せだった。
そんなある日、悲劇が起こったわ。
ロミオの父親に売国奴の疑いが掛けられてしまう。
ロミオの父親は処刑され、母親も処刑されてしまった。
ロミオも処刑されることになったの。
処刑が執行される日。
私は目を閉じ、祈ったわ。
ロミオをなんとしても助けたい。
そこでまた、頭の中におばあさんが現れたの。
私はロミオを救うため、また魔法の力を使ったわ。
断首台に向かっていたロミオ。
その途中に父親が無実であることが証明されたの。
ロミオは一命を取りとめた - 。
でも、両親を失った悲しみがロミオから
また笑顔を奪ってしまったの。
そして私はまた、代償を - 。
私はロミオの家の庭の木になってしまった。
そして、さらに20年、人間に戻れないことになったの - 。
つづく。